なんか書くことが多いので、ジャンル分けする。書いておく価値のあることを取りこぼしている気しかしないので、次からちゃんと週一で書きます。マジで。
ライブ
Homecomings - Summer Reading
学生限定のフリーライブ。もう相当有名なのにこういうことをやってくれるのは嬉しい。下北沢のADRIFTという新しいライブハウスに行った。満員じゃないのが意外だった。こういうジャンルのバンドのライブで毎度思うことだけど、生演奏だとロックバンドだということを実感する。一方で観客側が大人しすぎると同行者が言っていたのが面白かった。HURTS→US/アスの流れが最高だった。特にHURTSは音源収録時からの成熟をすごく感じた。アンコールは観客の希望で決まるという緩さ。メンバーもみんなニコニコしていたし、終始和やかなライブだった。ツアー本編の方もチケット取れれば良かったな。
下北沢近道「近道開店記念公演」
直前まで行くか迷ってたけど、同日にスパイダーバースを観に行った同行者も乗り気だったので行くことになった。オープニングアクト含めた4バンドの対バンライブ。
オープニングアクトのくゆるは、想像していたけどかなりの轟音。でも耳がキツいわけではなくて、ゴリゴリした低音がずっと身体を震わせてくる感じ。歌詞もメロディも、何曲やったのかすらよくわからなかった。
tiny yawnはギターの技巧がすごい。このバンドを聴き始めたときはわかっていなかったけど、ギターにはかなりエモの要素を感じる。ボーカルのハスキーな声質もとても良い。中村佳穂っぽいというのは雑すぎ?
水中スピカは演奏が断トツで上手かった。いわゆるマスロックのバンドを生で観たのは初めてな気がする。タッピングしながら歌えるの凄すぎる。
kurayamisakaは3月とは違ってかなり前の方で観れたのが良かった。メンバーの暴れっぷりがよく見えたし、トリプルギターそれぞれの役割がちゃんとわかった。会場の電球を割ったのには笑ったけど。開店記念公演やぞ!seasonsやfarewellがもちろん良かったけど、cinema paradisoやcurtain callもかなり好きになってきた。新曲のmodify Youthもめちゃくちゃ好き。kurayamisakaが凄い勢いで人気になっているのを見て、ここ数ヶ月は何となく逆張り心があったけど、ちゃんと真っ直ぐ好きだな。
映像
スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース
映像の一瞬一瞬の密度が異常に高くて、何か気づいていない面白い要素があるんじゃないかと不安になるほど。アクションシーンのかっこよさも抜群で、もう一回観たい!
マイルスとグエンのダブル主人公それぞれに違う世界の見え方や葛藤があるのが良くて、特に悠木碧の演技が良かった。不意に水星の魔女のノレアがよぎってしまった。親子愛、自立、運命の克服みたいなテーマが浮かんだ。
物語が動くキメのシーンの大事さって最近意識していて、マイルスが母親と心を通わせるシーン、スパイダーソサエティと決別するシーン、グウェンと父親が和解するシーンと、好きなシーンがいっぱいある。特にニューヨークの街を逆さに見て2人が言葉を交わすシーンが最高。
水星の魔女
終わってしまった〜。深掘りしきれていない要素はあれど、各キャラの結末を丸く収めてハッピーエンドにしてくれたのが本当に良かった。
最終話、虹色に輝いてキャリバーンを覆ったデータストームは歴代ガンダムの踏襲なのかなと予想するし、みんなを守ろうとするスレッタと全宇宙の人たちに向けて演説するミオリネの構図はUCのバナージとミネバに重なった。
誰もが嬉しい予後を送っていて(なんならこれからが始まりだけど)、こういうエピローグをずっと観ていたいんだけど、それは2次創作でやることだな。
本
安成哲三『モンスーンの世界』
モンスーン研究の第一人者である筆者が、サイエンスとしての数十年間の研究成果と、それを経て考えたモンスーンの人間社会的な側面をまとめた本。
モンスーンは難しそうだし自分の研究テーマにも深くは関わらなさそうなので避けていたけど、取っ掛かりとしていい勉強になったと思う。特に大気-植生の水循環を介したシステムがシベリアのタイガを維持しているみたいな話が面白かった。後半の人間社会の話は正直目が滑った。
保坂和志『プレーンソング』
都内で会社に勤めながらうだつの上がらない日々を過ごす主人公と、その友人たちの何でもない話。本当に目立った事件が何も起こらない平坦なストーリーなんだけど、なぜか読ませる力があった。作中の80〜90年代の空気感も含めて、終始「なんかいいなあ」と思っているうちに終わる。起伏があるとすればラストの海に行く場面だけど、それすらもただぼーっと過ごすうちに終わって行くだけ。そういう、何気ないけどふと思い出される時間を切り取ろうとする姿勢が伝わってきたし、実際に映画撮影をしている登場人物にそれを語らせていた。
保坂和志の他の作品も読んでみたくなったし、海に行きたくなったな。今夏、他の人間を誘って行こう。
ヤマシタトモコ『違国日記』
Twitterで見かけた一コマが無性に気になって買ってしまった。中学3年時に不慮の事故で両親を亡くした少女・朝と、そのおばで小説家である槙生の共同生活の話。物語の起伏は目立ったものではないけど、それぞれ不器用さを持った登場人物の感情の機微や絶妙な台詞回しがなんとなくハマって、一気読みしてしまいたいというふうでもなくじわじわと読み進めている。と言いつつ6巻まで揃えてしまったんだけど。
特に朝の言動に実に等身大の中学生・高校生を感じるのが良い。フィクションに出てくる中高生ってどうしても現実よりも大人びすぎているように見えてしまって、それが良いか悪いかはともかく、本作はよりリアルを捉えているように感じる。
武田綾乃『飛び立つ君の背を見上げる』
「響け!ユーフォニアム」シリーズのスピンオフにあたり、久美子1年次の2年生4人組、いわゆる「南中カルテット」に焦点を当てた作品。前回は何かと文句を言った気がするけど、これはめちゃくちゃ良かった!刊行のタイミングが一番最近であることもあってか、本編よりも文章表現が良くなっている気がする。そもそも南中カルテットが好きすぎるということはあるけど、常に楽しみながら一気に読み終えてしまった。
本作の語り手である中川夏紀は自分がかなり好きなタイプの人間だ。基本的にドライでリアリスティックな考え方をしていながらも、理屈ではない熱さもあって、しかもそれに自覚的であるところ。彼女の自意識には正直なところ共感する部分もかなりあった。
ここ最近の天候の急変ゆえ完全に夏モードだったけど、本作は基本的に卒業シーズンの話だったので、読む時季が合っていたらもっと良かったかなとはちょっと思った。
浅野いにお『おやすみプンプン』
無料公開されていたので頑張って読んだ。お金を払わずに、手軽に鬱になっています。
しんどかったけどかなり満足した。自意識に囚われて身動きができなくなるしんどさは自分にも多少身に覚えがあって心を抉られるんだけど、同時にこんなので影響を受けてたまるかという気持ちもある。中高生のときに読まなくて良かったなとは思う。
浅野いにおの作品をまともに読んだことがなかったので、絵にしても言動にしても、この人が描く人間のディテール凄いんだなとも思った。
音楽
toe - Mother (feat. ILL-BOSSTINO & 5lack)
いわゆるローファイヒップホップ?とtoeがこんなに合うのか......。ラップはサッパリだけど、こういう切ない感じのは好き。
Blurred City Lights - 再生の惑星
歌い方やミックスのせいか、ヘヴィなシューゲイズだった前作よりもポップになったように感じる。どっちの方面でもやっていってくれたらいいな。
geentunnel - windmill
すごいシガーロス感。空間を感じる音像が良い。
Sept. - Wander Wander
前にライブで1回だけ聴いた「good wander」のサビがずっと頭に残っていて、リリース後に改めて聴いてすぐに「あの曲か」と気づけたのが嬉しかった。数あるドリームポップバンドの中でも特にストレスなく聴けるなって印象。
MoritaSaki in the pool - Ice box
基本的にボーカル含めモワ〜ンとした音像なんだけど、メロディは結構耳に残る。何日か脳内でループしてた。