4年前くらいから細々と追っているつもりではいるが、ライブは初めて。開場時間前に余裕をもって到着し、ポスターの特典付きのCDと狙っていたTシャツを買った。この夏にガシガシ着るぞ。開演前にマイブラのto here knows whenとかニルヴァーナのRape meとかが流れていて良かった。横アリで流していいんだ。
「世界一とっつきやすいシューゲイザー」を標榜するユニット。cruyff in the bedroom的な脱力した男声と、フォトハイ的な可愛らしい女声のツインボーカルが癖になる。自称している通りとてもキャッチーで、ジャンルもシューゲとは言いつつボーダーレスな印象を受ける。ただ全体としてギターがめちゃめちゃ歪んでいるのが良い。夏×青春×シューゲという、もはや一分野として確立したテーマでありながらも、カートゥーン的なアートワークも手伝って他とは一線を画したバンドになっている。「そしてチャイナブルー」みたいな直球の曲が強い。絶対にもっと評価されるべきなので、今後の展開に注目したい。
リリースは5月だけど、夏真っ盛りの時期に出会えたのが良かったな。8月に北海道へ旅行したときに、小樽の街並みを眺めながら聴いたのは良い思い出。私の2023年の夏はThe OtalsとMoritaSaki in the poolで構成されている。
一番好きなのは「c r a z y」。肩を掴まれて揺さぶられているような、隣で優しく語りかけてくれているような不思議な感覚で、めちゃめちゃかっこいい。「讃歌」や「16:28」のように普遍的だけど唯一無二の美しさを備えた曲もある。「- - nps - -」にはまさにこの作品で大事にしているような、未整理で偶発的な音楽の尊さが宿っている。誰に勧められるでもなく、自発的にふらっと聴きにいった先で出会えたことが嬉しい作品。
THE NOVEMBERSは間違いなく好きなバンドなんだけど、今まであまり丁寧に追えていなかった。活動初期の「picnic」と「The Novembers」(後者は今作とは別のセルフタイトルEP)、それと2016年リリースの「Hallelujah」が気に入って雑に聴き齧っていた程度だったのだが、今作はそれらが持つ異なる良さを融合したようなアルバムだと思った。荒々しいバンドサウンドに陶酔的なボーカルが乗っかっていて、違う世界に連れて行ってくれるような魅力がある。
かな......。2位と3位は悩む。「つくる」はエモ・シューゲイズという自分の近年の嗜好にガッチリとハマってくれた大傑作、「no public sounds」と「New Neighbors」はオルタナを素地に自分の好みをさらに押し広げてくれた作品のような気がしている。
アルバム単位では、実際には今年によく聴いていた去年リリースの「結束バンド」(結束バンド)や、バンドとしての強さを見せつけられた「ひみつスタジオ」(スピッツ)なども入れたかった。あとはPeople In The Boxと羊文学の新譜もまだ聴き込めてないな......。バンド単位では多次元制御機構よだか、Blurred City Lights、MoritaSaki in the poolあたりも今年のリスニングを特徴づける良い出会いだった。ベストソングというところで言えば、ノウルシ「燃え残りの日々」とキタニタツヤ「青のすみか」は間違いなく入ってくる。