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今年の抱負、マルチタスクをこなせるようになること。喫緊の締切がないようなタスクが思うように進まなかったのが2023年の最大の反省点なので。あとは日々のノルマを設定した。確実に毎日クリアできるようなものではないけど、それを目指すことで良い感じの生活習慣が回りつつある。

衝動的にスマホTwitterアプリを消したことも相まって、なんとなく精神状態が良い。ブラウザで見てはいるけど、タイムラインを追う面倒さが大きいので時間の浪費はかなり減った。はず。

 

近藤信輔『忍者と極道』

読んだ。描写の圧が強くて疲れてしまって今まで一気読みできてなかったけど、今回は達成した。面白いセリフを見るのが目的みたいなところはある。

 

小川哲『君のクイズ』

クイズ大会の決勝戦における対戦相手の不自然な正答の真相を探る過程で、クイズというものの本質にも迫っていく。謎の真相よりもむしろ主人公にとっての競技クイズのあり方が明かされていくのが面白かった。クイズに回答することは単に暗記した事項を答えることなのではなくて、その背後には人生の1ページを振り返る過程がある。クイズに正答するのは、ある意味で人生を肯定されることなのだと。自分の中に少なからずあった競技クイズプレイヤーに対する侮りみたいなものが無くなった。

 

タニタツヤ - ROUNDABOUT

ROUNDABOUT (初回生産限定盤) (特典なし)

1/10リリースのニューアルバム。既にシングルとして、あるいはデモ版としてリリースされていた曲が多かったので、前作にあったようなコンセプト性は感じなかった。単に「青のすみか」「月光」「スカー」と大好きな曲が揃っているのでそれだけで聴ける......というのが一聴しての感想だったけど、聴いているうちに、特に後述のライブのMCを聞いてからじわじわ良くなってきた。

コンセプトという点を言うなら、1曲目の「私が明日死ぬなら」で既にそれは完成されている。MV中に一瞬出るメッセージ、渋谷の広告、ライブMCで常に「逃げ場としての、人生の伴奏としての音楽を広げたい」という指針が一貫している。内省なのか訴えなのか絶妙なラインの歌詞とバラエティに富んだ曲調・アレンジで、日々の様々な局面に寄り添える作品になっているんだなと思った。


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タニタツヤ Japan Tour "UNFADED BLUE (Re-colored)"

セトリネタバレあり。

申し込んでからライブ当日までの間に、気づいたら紅白歌手に登り詰めていた。随分遠いところまで来たね。そんな昔から追い続けていたわけではないですけれども......。

一曲目「スカー」からフルスロットルで、次ぐ「悪魔の踊り方」では観客席にマイクを向けられ合唱。さすがに楽しかった。スマホ撮影可なのもあってか、客のノリは良いけど聴き方は全然自由でよくて(フェス常連の邦楽ロックバンドにありがちな右手謎グッパーに抵抗感がある)、良い雰囲気の客席だなと思った。本人も言及してたけど、同じNHKホールが年末の時からすごい変わりようで不思議な気持ちだった。NHKだからといって会場もお堅いわけではなく、演出はゴージャス。これまでに経験したホールでのライブは、演者との距離もあってどこか一歩引いて観てしまうことが多かったんだけど、今回は完全に没入できたな。

ホーンセクションは数曲だけ入るのかと思っていたけど、ガッツリ半分以上は入っていたはず。元々のアレンジにホーンが入っているのはおそらく「Stoned Child」「化け猫」「Ghost!?」くらいのもので、新鮮なアレンジが満載だったのも満足度が高かった。クライマックスというべき「私が明日死ぬなら」は、リードギター抑えめ、ストリングスの主張強めで、音源で聴いた時点では割と典型的なポップソングに寄っているなという気がしていたけど、会場で聴くとしっかりオルタナだった。ラスサビ、ステージにライブのモチーフの手の像が現れる演出はかなり込み上げるものがあった。その後のMCでキタニは「自分の曲を先頭にして音楽一般というものを広く普及させていく宣教師になりたい」ということを言っていた。凡庸な言葉ではなくて、彼が普段から考えているであろう彼自身の言葉だったためにすごく入ってきたし、聞けてよかった。その後に演奏された「クラブ・アンリアリティ」や「逃走劇」はこのライブのための楽曲なんじゃないかと思えた。ラストは「青のすみか」。青色に満ちたステージ、全身で感じられる会場の熱気、そして紅白を経てめちゃくちゃパワーアップした演奏……。夢心地だったな。

正直アンコールがないのが惜しかった!今までにないくらい一瞬に感じられたライブだった。5月の武道館も絶対に行くぞという気持ちに。

 

引越し

本当は12月の頭から動き出すつもりだったんだけど......。もういい加減繁忙期に突入しかかっていてまずいので、真面目に部屋探しを始めた。とはいえこの数ヶ月間で求める条件はほぼ絞り込めていたので、それを打ち込むだけ。

具体的な段取りを踏んでいくにつれ、考えることの多さや選択の重みがしんどくなっていく。今まで対した転機がなかった自分の人生にとって、今後数年間の住処を決めるというのは重大な選択だ。今の自分に現実的な条件を洗い出し物件を絞り込んでいくにつれ、未来にありえた様々な可能性が消えていく感覚がある。家庭を持ったりしたらどうなっちゃうんだろうね。人生の自由というものが時間・金による正の寄与と責任の大きさによる負の寄与で決まるとしたら、時間が寄与してくれた自由のピークを自分は過ぎつつあって、徐々に後者2つの寄与が大きくなってきている。

部屋に当たりをつけて不動産屋に電話した翌日に、もう内見をすることになった。行ってみると、想定していた家賃よりは少し高くなってしまうもののかなり条件が良い物件に巡り会えた。足踏みして別の人に契約されてしまうくらいなら、もう早々にそこで決めてしまうべきではないかということに。トントン拍子で話が進んでしまって若干の恐ろしさを覚える。巡り合わせという言葉はあるけれども、賃貸物件って動く金の大きさの割に流動性が高すぎないか。重い選択も決断するときは一瞬なんだな......。