3/28-4/16

入院

研究室に自分の机をもらった。大学に自分だけのスペースがあること、自分の研究テーマがあることに学部のときから強烈な憧れがあって、それがようやく達成されたという気持ち。いや、まだ全然これからなんだけど。サンダルとかお菓子とかマグカップとか、快適な研究室生活のために色々なものを持ち込んだ。大きなディスプレイと高い椅子、広い机をもらえたおかげで、本当に快適。D進するとしたらここでの生活が5年以上続くのかと思うとちょっと恐ろしい感じもするけど、どうなっていくのやら。

 

はるまきごはん - ディナーベル


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音作りとしては幻影EPから続くものがあるけど、歴代曲の中でもBPMが速い(そうでもない?)気がして、新鮮味があった。2番のBメロが好き。凶悪なギターソロが良い意味で異物感を演出している。東京に来たオタクと「運命」とか「リリ」に近い感じかな〜と話してた。はるまきごはんを聴くようになる前までは、「メルティランドナイトメア」あたりを一聴して感じるふわふわとしたメルヘンな感じが持ち味なのだと思っていた。だからこそそんなに食指が動いていなかったのだけど、こういう曲を聴くとそれは全く違うよなと再認識する。少女的な言葉遣いや調声と、その年齢に似つかわしくない言葉選びが混在しているのも独特な良さを生んでいそう。

 

米澤穂信『本と鍵の季節』

高校二年の図書委員二人組が、自分たちのもとへ舞い込んできた謎を解決していく「日常の謎」系のミステリー短編集。「本」とか「鍵」といったモチーフを散りばめながら、全編違う角度でトリックを暴いていくのがすごい。同時に、主人公の一人であり、語り手である堀川とは違う方、松倉のパーソナルな部分に関して常に暗い雰囲気が漂っているのも良い。主人公たちのキャラ作り的に、頭の切れる松倉がガンガン謎を解いていって、堀川は松倉にはない素朴な視点で手がかりを見出す、という描き方が正統派な気がするけど、実際は謎の解決への二人の貢献度が同じくらいなのがなんとなく新鮮に感じた。あえて取り沙汰することでもない?「ロックオンロッカー」と「昔話を聞かせておくれよ」が特に面白かった。どうしようもない問題があって、主人公が解決することはできないし解決したのかもわからないけど、とりあえずの決着がつき、その後の物語は読者の想像に委ねられる、というのが好きなんだろうね。エンディングの「友よ知るなかれ」はミステリーというよりも二人の友情の話で、これがすごくよかった。

 

青崎有吾『早朝始発の殺風景』

漫画化されていた表題作が印象に残っていたので、ふとしたきっかけで思い出して原作を読んでみた。あとから見返したら「本と鍵の季節」の後書きで青崎有吾が言及されていて、意図しない繋がりが嬉しかった。題材としても「本と鍵」に近く、高校生が主人公の日常の謎系ミステリー短編集だ。全編が擬似的な密室にいる2〜3 人の登場人物のワンシーンの会話だけで進む構成になっていてすごい。読み味がラノベっぽすぎるかなとか、真相部分の描写に引っ張られすぎてるかもといった点では米澤穂信と比べてしまうけど、これも面白かった。特に「夢の国には観覧車がない」と「三月四日、午後二時半の密室」が良い。前者はBLとして読んだけど、そうだよね......?後者に出てくる「青春ってきっと、気まずさでできた密室なんだ。」というセリフがいい。スキローを読んで感じたことが一言で表された感がある。

 

世界が終わったら


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シバノソウさん映画監督もやったんだって。すごいね。それでこのMV、我ながら単純だけど好きすぎる。上の小説含め、最近は青春作品を摂取してしんどくなるみたいなことを繰り返していてやばい。

大学院生活が始まって、「学校に通う」ということからはもう随分離れてしまったんだなということを実感している。勉強や友達付き合いの点では全く後悔はないけど、こと恋愛とか、それくらい大きな感情の動きを伴う人付き合いに関してはどうにもコンプレックスが拭えない。前にも同じこと書いたな.......。大学生活で挽回できるだろうという漠然とした望みで耐えていたものが、研究室通いが始まって、もうそういう形で自分の後悔が拭われることはないのだなと思い知らされている。真っ当な恋愛をしてちゃんと恋人でもできたらケロッと大丈夫になるのかもしれない。まあそれが簡単にできれば苦労はしないんですがね......。

少し違う話かもしれないが、人に献身的になれないということについて。人のために自分が労力を払った方がいいと思われる場面で、面倒臭さと天秤にかけてそれができないということが割とある。人を遊びに誘うのは自分が寂しいからだし、人を助けるとしたら自分にリターンがあるからだし、そもそも自分本位の行動しかしないものだという割り切りはできていると思うのだけど、そういうことを自覚するたびに、自分は冷たい人間だなと思ってがっかりする。そのガッカリ感・モヤモヤ感は、自分が100%の割り切りをできていないからなのか、割り切りはできていて、献身的になることに関する損得勘定を正しくできていないと感じることに由来するのかがわからない。わがままな悩みだと言われるのもまあわかる。

あらゆることに対して斜に構えてばかりいるのも辞めた方がいいと思いつつも、そういう姿勢が染み付いて抜けなくなってしまっているようにも思うし、そこから脱却したとして無味乾燥な人間になるだけじゃないのか?と思う。真っ直ぐで個性も強い人はすごい。もう自己紹介で自我を出す歳ではないみたいな話を友達としていて、実際そうだなとは思うけど、つまらん大人になりたくないなーという思いもかなりある。痛くなく、ちょうどよく面白い人間になれればいいんだけどね。

 


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