7/30-8/5

中途半端に気合を入れて書いているせいで、どうでもいいことを書きづらい。でも平日も毎日書くのはねえ...。いや、毎日書くか?しっくりくるスタイルを確立できない。少なくとも、もっと気楽に書いたほうがいいと思う。

 

cinema staff再訪

ふと思い立ってシネマの昔(2009〜2011年あたり)の曲を聴いてたけど、こんなに良かったっけ!?進撃の巨人のEDから知った流れで、中高生の頃はgreat escapeが入ったアルバムやblueprintあたりの曲ばかりを好んで聴いていて、むしろそれより前の曲はあまり刺さっていなかった(GATEはずっと好きだけどね)。今になって聴いてみると、硬質なギターサウンドとマスロック・ポストロック寄りな曲作りが今の自分の耳に合っている。「制裁は僕に下る」や「海について」あたりはマジで傑作だと思う。

こんな風に、初めにハマったアルバムから遡って前のアルバムを後から一番好きになるパターンが多い。ストレイテナーの「Nexus」とか、きのこ帝国の「渦になる」とか。

 

kinoue64 - 空間、事情、時間、事象。


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Mikgazerを初めて聴いたときと似た衝撃と、いまこの瞬間にその担い手がいるのだという感激が同時にあった。ぼんやりとして子供の歌声のようなミクのボーカルが乗ったシューゲに宅録的な規則的なドラミングと通奏低音のように流れる電子的なノイズ…...照井順政的なマスロック成分も感じて、非常に良い。見たところ非常に多作なようで、それも嬉しい。

 

Lily Fury - Hinemosphere


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まだ全然ちゃんと聴けていないけど、好きな要素が詰まりすぎている。シューゲ・ハードコア・ポストロックを横断しながら百合とSFを奏でる。名前に引っ張られているのかもしれないけど、どこか怒りのような激情も感じる。潰れたようなドラムやボーカルの音は、視聴体験の少なさゆえParannoul的と形容するしかないのだけど、かなり好きだ。

 

武田綾乃『愛されなくても別に』

作者名に加え、あらすじに惹かれて手に取った。読むタイミングがユーフォ劇場版(後述)の公開日に近くなったのはたまたま。

学費と浪費家の母親のためにバイトに明け暮れる主人公・宮田陽彩と、曰くつきの同級生・江永の生活を描いたシスターフッド。登場人物たちの言動や状況が、なんというか実に令和的だと思った。いわゆる「毒親」とか新興宗教とか、現実に自分が密接な関わりを持ったことはないにせよ、かなり嫌〜な質感を伴って現代的に描かれている。そういったものを単に悪としてよいのかという疑問は残したまま、それでも自分はこう生きるのだと歩みを進める二人の姿が痛快。物語後半で急に具体的な年とイベントを提示するトリックに感心した。その後の世の中の出来事を知っている我々にはとても皮肉的に映って、物語の痛快さを増している。

「飛び立つ君の背を見上げる」でも感じたように、武田綾乃の(特に近年の作品の)人間関係の描き方がめちゃくちゃ良い。登場人物たちはわりとドライで、どこか醒めた目で世界を見ている節がある。そんな人たちが織りなす人間関係は「一生友達!」というような無根拠な連帯感を伴わない。それでも、だからこそ、些細なことで人を救っていたり、救われていたりする。現実もそんなもんよね、と思う。

知人よりグレードの高い友人関係は、いつか懐かしさとわずらわしさに書き換えられていくのだろう。

でも、いまだけ。いまだけはまだ、自分たちは友達だった。

響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部のホントの話)

この晴香の独白がずっと印象に残っているのだけど、ここにもそういう人間関係の描き方が表れている。

 

特別編 響け!ユーフォニアム〜アンサンブルコンテスト〜

原作を読んだ上での視聴だったけど、なんというか良かったところがたくさんありすぎて殴り書きしかできない。

黒沢ともよさんのスキローのインタビューを読んだ上で久美子の喋り方を聞くと、相当研究されて出してる声だなーと思った。

・久石奏、謎の可愛さ。どうしてこんなに可愛いんだ?鈴木さつきも同様。久美子がガッツリ撫でるシーンが妙に面白かったけど、わかる。

・美玲が明らかに低音パートの面々と打ち解けていて嬉しい。特に葉月に対しても遠慮せず「上達した」と言えるのが良かった。葉月頑張れという気持ちにもなる。

・麗奈さんと久美子さん、なんなんですか、あなたたちの関係。

・「窓開けるの上手くて嬉しい」の意味深さ。きっと3期のキーワードになるんだろうな。みぞれの成長、特に久美子が捉えられないような形での変化の描き方が良かった。

・演奏面では、息継ぎはもちろんのこと、ピストンを押す音まで細かく再現されているのが凄かった。

・本編の要である釜谷つばめの苦手克服、久美子の手助けの仕方がらしいなと思ったし、マリンバの搬入作業のシーンは、なぜか視線を釘づけられるものがあった。

・アンコン本体は原作以上にかなり省略、チームメンバーのダイジェスト的な紹介に割り切ったのがむしろ良かった。思い返すとちゃんとした演奏シーンは冒頭の文化祭だけだ。かなり思い切った構成だと思ったけど、めちゃくちゃ綺麗にまとまっていた。