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読書

みくのしんさんが「走れメロス」を読む記事がめちゃくちゃ良かった。登場人物の一挙手一投足に自己投影してあそこまで熱中できるのが羨ましい。自分は雑に本を消費してるなあと思った。中学で走れメロスを読んだときの印象と、大学に入ってから他の太宰作品を読んだときの印象が断絶していて、そういやこれって太宰治だったか…となった。オモコロを知らない人まで届いて、かまどさんが良い相方として評価されてるのがちょっと面白かった。

omocoro.jp

 

ポケモン

エキスパンションパスを買ってしまいました。あ〜あ。どう考えても買ってる場合ではないが、息抜きにどうしてもゲームが触りたくなったのと、SVまでに剣盾でやるべきことは済ませておきたいというのがあったので仕方ない。とりあえず鎧の孤島をクリアした。金策まわりがだいぶ楽になったのと、シンプルに出会えるポケモンが増えたので、どうして今まで買っていなかったのかという気持ちしかない。

 

皆既月食

見た。真面目に言うのも恥ずかしいけど、日本(世界)中の人たちが一つのものを見て楽しめるのってすごく尊いことだなと思った。特に、(ほぼ)何の思想信条にも関わらず、かつ誰の目にもわかりやすい天体ショーだからこそ。月蝕そのものもだけど、帰り道で多くの人がスマホを空に掲げているのが印象的だった。

 

SEAPOOL - スイート Q ラブ

友達から教えてもらったスリーピースバンド。歪んだでっかいオルタナサウンドが鳴っていて嬉しい。

サマースクールという曲がお気に入り。コード感がドンピシャにハマっていて、一聴だけで聴き馴染みのある感じがしてくる。過ぎ去った夏の日に対する後悔からしか摂取できない栄養素がある。

ジャケットのイラストの影響もあってか(これもめちゃくちゃ良い)、良い意味で最近のバンドっぽくない印象を受けて、リリースが4年前と知って少し驚いた。

 


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ライブ映像が衝撃的。ギタボの人があまりにもカッコよすぎる。スリーピースとは思えない音の厚みと多彩さがある。

 

源河亨『「美味しい」とは何か-食からひもとく美学入門』

食べ物を「美味しい」とか「まずい」と評価するのはどういうことなのかというテーマから美学という学問を概観する入門書。かなり丁寧に議論が展開されているので読みやすかった。(料理を含む)作品を評価する言葉には主観的なものと客観的なものがあり、同じ言葉でも場合によってその性質が変わりうるというのが面白かった。何か物議を醸すような評価や主張があったときに、それが主観的なものなのか、客観的だとしてどのような文化に立脚したものなのかを見定めるのはめちゃくちゃ大事なんだろうなと。(こう書くと当たり前っぽいけど。)

他人の評価によって作品を純粋に楽しめなくなるというのは必ずしも正しくないということや、言語化することが体験を陳腐化するわけではないということを説得力をもって説明してくれているのは嬉しかった。みんなが良いと言うから良いと感じるのも、逆に売れ線に行ったから興味を失ってしまうのも恥じる必要はない。「作品の解説をうざったく感じるのは知識をひけらかそうとする欲が透けて見えるから」という趣旨の内容については、はい、おっしゃる通り......。

作品を評価するときに、他人の言葉を借りて表面をなぞったものや、単に周辺情報を羅列しただけのものになっているなと感じることがあるけど、まあそんなに気にしなくていいなという気持ちになった。それはそれとして、作品を評する語彙や知識はもっと欲しい。