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雑記

窓を開けていると一日中金木犀の香りがしてすごい。去年や一昨年のこの時期に聴いていた曲を聴き直したりしている。

 

研究

先週はセミナーやら修論の中間発表会やら新しく始まったゼミやらがあり、分野内外の院生や教員の話を聞く機会が多かった。面白い、自分もやりたいという気持ちと、自分にはここまでできないという気持ちがある。

 

感想

テッド・チャンあなたの人生の物語

表題「あなたの人生の物語」が「メッセージ」という邦題で映画化してたやつ。ゆっくり読んでたので記憶はだいぶ薄れているが、やっぱりその表題作が一番面白かった。異星人が突如地球にやってきて、言語学者と物理学者のタッグがコミュニケーションを試みる話。速度のような人間にとって基本的な概念は異星人にとって難しく、逆に変分原理が異星人にとっては直感的に理解できるものであるようだという結論に至る。こういうふうに物理学的な概念がうまく物語の中に埋め込まれているのは嬉しい。フェルマーの原理を自然に飲み込んでる生命体、確かにいてもおかしくないなという気にさせられた。

「地獄とは神の不在なり」は、自然災害のような天使の描写がすごくよかった。

「顔の美醜について」はもう20年も前の作品らしいけど、現代においてより読まれるべき作品というか、先見の明がすごい。ドキュメンタリーの形式で各人の発言だけが散発的に綴られることで作品自体はニュートラルな立場を保っているのも面白い。

 

池上英洋『西洋美術史入門』

普段読むジャンルが偏りすぎていることを自覚したので、触れようと思って手を出せずにいた美術史の本を読んでみることにした。読みやすいし中身が充実していて良かった。

西洋絵画の多くが社会背景と強く結びついていて、イメージと意味を結びつける約束事(コード)を発掘する図像学(イコノグラフィー)と、それが描かれた背景を分析する図像解釈学(イコノロジー)によって当時の社会の様子が映し出されるということらしい。ルネサンス時代のトスカーナ地方で両替商が誕生し、証文や現金を運ぶ旅路の無事を祈って「トビアスと天使」の主題が好まれた、みたいな話が面白かった。印象派が生まれた背景や、それが日本で好まれる理由なんかも少しわかって良かった。学部生のうちに何度か上野の美術館に通っておこうと思った。

 

Damian Rice - 9

9

友達から借りて聴いてる。フォークソングには明るくないけど結構好きかもな〜と思って聴いてたら、アルバム通して意外に起伏、というかオルタナっぽい要素があってびっくりした。めちゃくちゃかっこいい。北欧的...と言っていいのかは知らんけど、抒情的でもの悲しい感じが良い。今の季節にも合っている気がする。