3/2-17

雑記

Life goes on. Vol.3

www.toos.co.jp

3/13に行った。仙台のインディーズバンドsimsiisの2nd EP "white hot"を引っ提げたツアーで、活動休止前東京での最後のライブ。

インディーズバンドのライブに行ったことがなくて、今回の会場だった「下北沢THREE」みたいな小さいハコに入ったことがなかったので、最初どこが入り口なのかわからなかったし、入って行くときも結構緊張した。
割とクローズドな空間なんじゃないかという偏見があったんだけど、1人で来ている人も多かったし、周りに合わせてノらなきゃいけない雰囲気もなくて、意外と居心地が良かった。

simsiis以外は全く知らなかったので少しだけ予習して行ったけど、どのバンドにも良い意味で裏切られた。特に良かったのはpuleflorと音速ばばあ。
puleflorはきのこ帝国を感じさせるシューゲで、めちゃくちゃ轟音で良かった。轟音で気持ちよく睡眠導入される感じが体験できた。
音速ばばあはエモに振り切った感じで、なんか下北だなあって感じのするバンドだった(そうなのか?) ツインボーカルジャズマスターテレキャスの組み合わせが最高すぎる。

そして主役のsimsiis。音源と生とだと当然違うもので、よりエモとしての側面が際立っていた。フナワタリさんのプリング・ハンマリングやタッピングを多用したピロピロのギターがめちゃくちゃ良かった。EPの曲も良かったけど、bygoneとAzaliaが良かったな〜。活動休止は残念だけど、その前に観に行けて良かったです。

sensa.jp

2枚のEP「hale glow」と「white hot」、宮沢賢治の詩から取ったフレーズらしい。めちゃくちゃセンスいいな〜。この対になるEPを出して活動休止になるの、悲しいけど美しくもある。

 

OSアップデート

急遽必要が生じたので、我がMacBookのOSをMojaveからBig Surに上げる作業を始めた。まあ想像はできたはずのことなんだけど、どれだけ大変だったことか…
まずインストーラを入れるための容量を空ける必要があった。「システム」や「その他」なる謎のカテゴリが大きな部分を占めていて、その中から不要なものを探して消すのがめちゃくちゃ面倒なので、今はいらないアプリやデータを必要に応じて外付けHDDにちまちま逃す作業をして、なんとか必要な分を捻出した。
OSのダウンロードは正常にできたものの、ここで最大の問題が発生。インストールのプログレスバーがあるところから一切進まなくなったのである。復旧モードからOSの再インストールをしようとしても、容量が足りないと言われた。さっきは入ったのに??何なんだマジで……
結局、一回データを全部消してクリーンインストールするしかないだろうとなった。そこでまたしても問題となったのが、直前にバックアップを取っていなかったこと。これはマジでゴミカスすぎる。ただ、セーフモードで新規にアカウントを作った上で、元のアカウントから必要なデータは救出することができた。
クリーンインストールは時間はかかったものの正常にできて安心。まっさらなアカウントで中身を見てみたら、なぜか前のアカウントのデータが残っている…?多分だけど、初期化の際にMacintosh HD - Dataというボリュームを消していなかったために起きたこと。新しい分と重複して同じ名前のボリュームが2つできていたので、古い方を消して事なきを得た。アプリは入れ直す必要があったけど、無駄に容量を圧迫していたものが消えて、心機一転めちゃくちゃスッキリした。OSアプデ最高!
ここまでで3日間に及ぶ死闘。二度とやりたくね〜。今回のことを経てPCの中身がある程度ブラックボックスではなくなったのは収穫だけど、まだ全然わかった気がしていないので、分かりたいという気持ちが増した。それにまだLaTeXの環境構築が残ってるけど、まあそれはまた時間のあるときに……

 

感想

伴名練(編)『日本SFの臨界点 石黒達昌──冬至草/雪女』

同編者の別の短編集で読んだ「雪女」がすごく気に入ったので、こちらも読んだ。確かな医学知識に基づいた、現実とファンタジーの境目を曖昧にするような魅力がありつつも、各短編の作風には結構バリエーションがあった。

冬至」と「平成3年5月2日,後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士,並びに,」が「雪女」の作風と似ている。報告書的な語り口でファンタジー部分の幻想性を際立たせる感じ。
特に表題にもなっている「冬至草」が面白かった。北海道の図書館で発見された、「冬至草」と命名された押し花。それを研究していた人物の記録を探るにつれ、放射能を帯び人間のDNAを含む冬至草の異様な生態が明らかになっていく、というもの。戦時中の北海道が舞台である点、主人公の飽くなき探究心が儚い結末へ収束するという点で「雪女」とかなり似ていた。ゴジラの設定とか結構好きなので、本作の設定もかなり好きだった。まさにこういうのをもっと読みたいんだよな……

希望ホヤ」は、癌への薬効作用がある同名のホヤにまつわる話。「雪女」や「冬至草」とは違って登場人物たちのリアルタイムの会話によって進む。そういう点では一番読みやすい。絶対に多くの人にウケると思うし、発見されてないだけだなと思った。

寓話的な「王様はどのようにして不幸になっていったのか?」のような短編もあれば、論文捏造というテーマにストレートに迫る「アブサルティにまつわる評伝」という短編もあり、めちゃくちゃ器用な作家なんだな〜と思った。もうファンです。

 

mol-74 - OOORDER

OOORDER (初回生産限定盤) (特典なし)

モルカルの新譜。メジャーデビュー後2枚目のフルアルバムとして、今までのmol-74とは違う新しい面を出そうというコンセプトのもと、メンバー全員がそれぞれ作曲したらしい。確かに今までの北欧的なポストロックとは違うポップな部分が多く出ているけど、あんまり元のイメージから外れている感じはしない。作曲者がバラバラなことも一聴では分からなくて、バンドとしての強度があるんだなと思った。

「リマインダー」と「更新曲」が好き。「リマインダー」は曲の展開がめちゃめちゃ良い。モルカル特有の透明感のあるアルペジオで進んでいくと思ったら、2番のサビでバッキングがいきなり歪んで、Cメロではリードもそれに続き…と思ったらラスサビではアルペジオが戻ってくると同時にリズム隊の動きが激しくなって…という風に一曲の中での躍動感がある。「更新曲」は、その名の通り行進曲的なリズム感のある曲で、新鮮なんだけどやっぱりmol-74としての軸はずれてない。

3つのシングル曲も、アルバムの流れの中で聴くとまた違った趣きがある。「Answers」も「Replica」もスルメ曲で、初めて聴いたときよりもかなり好きになった。「Halation」なんかはミックスによって生音感が抑えられている気がするので、ライブで聴いたらまた化けるんだろうな。5月の公演が楽しみ。

 

PELICAN FANCLUB - 解放のヒント

解放のヒント (通常盤) (特典なし)

前からなんとなく気になっていたPELICAN FUNCLUBの新譜。

www.thefirsttimes.jp

このインタビューを読んだのをきっかけに聴いてみたら……めちゃくちゃかっこいいじゃん……

一曲目の「儀式東京」が1番好き。シンセとベースの組み合わせがかっこよすぎる上に、ギターがシューゲ的で実に自分好み。シャウトが入ってるのも含めて、THE NOVEMBERS的。

シングル曲でなんとなく知っていた「三原色」や「ディザイア」も、このアルバムで改めて聴いて好きになった。

アルバム全体で形成されている、シンセサウンド・暗→バンドサウンド・明という流れも美しい。ART-SCHOOLTHE NOVEMBERSに連なるシューゲイザーの側面と、アジカンKANA-BOONに連なる邦ロックの側面を両方持ち合わせているのが強いし、アニメタイアップという形で世間に受け入れられているのも嬉しい。

 

DECO*27 - MANNEQUIN

MANNEQUIN(初回限定盤)

この人はボカロ文化を早くから支えてきた存在なのに、「ヴァンパイア」という新機軸の曲を発表した上でそれがめちゃくちゃハネてるのが凄い。そのヴァンパイアからの流れの中にある、かなりコンセプチュアルなアルバム。

今までのバンドサウンドが全面に出たスタイルからは離れた曲が多いんだけど、全然ポジティブな変化だと受け取れる。まだアイデアが全然尽きていないんだなっていう期待感。

そしてアルバム終盤の「ジレンマ」ですよ…… ラスサビでベースが打ち込みから生音に変わる瞬間がガチで良すぎる。今のDECO*27の最高到達点って感じの曲だ。


www.youtube.com