2024年マイベストアルバム10選+α

 

リリース順。

 

Blurred City Lights / 天使のいない街で

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2月17日デジタルリリース。名古屋のシューゲイズバンドの1stアルバム。

今国内で活動しているシューゲイズバンドの中で一番好きだ。ギターの音作りがこれぞ、という感じ。浮遊感を湛えた狭義のシューゲ的な側面がありつつ、ボーカルの主張が強い。アルバム後半にはピアノをしっかり聴かせるパートも多くて、意外に唯一無二な気がしている。フォトハイ然り、J-POP的なメロディが反映されたシューゲが結局好きなのかもしれない。

リリースの時期に引っ越しをしていて、そこの記憶と強く結びついている。新居に向かう坂道から見上げた寒空。23区内、天使のいない街......。citylightsは名曲。

 

くだらない1日 / どいつもこいつも

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3月6日リリースの3rdアルバム。

歌詞は憤りが煮えたぎるようで、ただその方向は徹底的に自分に向いている。ぶっきらぼうな歌い方で、ポエトリーっぽい部分もあり、つい耳を傾けてしまう感じがある。エモ・激情ハードコア的な激しいバンドサウンドに久しぶりにしっかり熱狂した。

2〜3月頃は国内外のエモに興味を持って色々聴き漁っていたので、タイムリーだった。くだらない1日、ANORAK!、downtあたりばかりを聴いていた。このアルバムも引っ越したばかりの時期によく聴いていたわけだけど、何故か新しく使い始めたスーパーからの帰り道を思い出す。ダイソーで買ったエコバッグが小さい。

 

さよならポエジー / SUNG LEGACY

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3月6日リリースの4thアルバム。

リリースの少し前に1stアルバムから順にサブスク配信が解禁されて、そこで初めて聴いて一聴でハマったバンド。ロックバンドはこれくらいシンプルでもかっこいい音が出せるんだと感動した記憶がある。言葉の並べ方が気持ち良すぎてつい歌いたくなってしまう。ティザーで聴いた「ノースロート」のサビが気に入って、リリース前にここだけリピートしていた。

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これは桜の時期によく聴いてた記憶があるな〜。家の近くの緑道で。

 

トゲナシトゲアリ / 棘アリ

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4月24日リリース。収録曲自体はシングルとして1月までに出揃っていたので、実際には3月頃から聴き始めていた。アニメ放映直前にどこかの広告で知って、なんとなく聴き始めたらハマってしまい、その後アニメにもどっぷり熱中してしまった。

〜10年代のボカロや残響系を経由した高速でマキシマムなロック。特に歌メロにすごくボカロ感を覚えるんだが、何がそうさせているのかわからない。Neru、凛として時雨ゲスの極み乙女など、自分の中高生時代のリスニング歴とリンクして楽しかった。ある種のダサさがこのかっこよさを引き出すのに大事だと思う。

トゲナシトゲアリとMyGO!!!!!をプレイリストに突っ込んで作業中にずっと流していたのでApple Musicのトップソングがそれらで占められている。

これをきっかけに友達がベースを始めて、最終的にコピバンを組むことになったので、この作品には感謝している。一度くらいはライブに行きたいんだけど、全然当選しない。

 

Bring Me the Horizon / POST HUMAN: NeX GEn

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5月24日リリース。フォロワーが上げていたリンクから見たジャケ写につられて聴き始めた。普段聴かないジャンルだし、周辺のバンドも全然知らないが、なぜかこれだけはリピートすることになった。高校時代にハマっていたワンオク、LINKIN PARKMy Chemical Romanceあたりを思い出しながら聴いていた。

自分は日本的な歌メロが好きなんだと最近自覚してきて、だからこそ洋楽に手が伸びづらいのかなと思うが、BMTHはそこをクリアしている...のか?単純にオリヴァー・サイクスの声が好きだ。ビジュアルも好き。ロックの形見が狭い時代に、このエクストリームなサウンドを前面に押し出してワールドワイドに活躍しているバンドがいることは希望だ...という見立ては浅いのかもしれないが、そう思った。

 

雪国 / pothos

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6月5日リリース。初めて聴いたときは正直曲の違いがわからなくて、一聴で良い!とはならなかったが、理解したくなる引力があった。

近年の国内インディー的なオルタナかと思いきやスロウコアな印象が強い。まさにバンド名を裏づけるような静謐な空気感を演出している。東京出身でまだ20歳くらいの彼らが「雪国」への憧憬だけでこういう音像を出力できるのが面白い。雪国出身側の自分として抽象的な次元で彼らのイメージに共感しうるかというのは難しい話だが、むしろ東京の生活感が反映されたアルバムなんだろうと思っている。

「東京」のMVで写されている日野市〜多摩市の情景もそのイメージに寄与している。漏れが結局シャニマスに影響を受けたオタクだからというのもある。

 

リーガルリリー / kirin

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8月28日リリース。独特の詩世界とジャキジャキとした音作り、それにきりんのジャケットやアニメタイアップの「キラキラの灰」などのポップネスが合わさって、癖が強いのに聴きやすい良いアルバムだ。コーラスの効いたギターがファンタジックな世界観を引き立てていると思う。

特に宮沢賢治からの影響が色濃く表れている。自分も宮沢賢治が好き、というか人格形成の段階で大きな影響を受けているので嬉しい。

Zepp Divercityのライブが今年ベスト級に良かった。(君島大空とHomecomingsとでトップ3。)ライブパフォーマンスを観て、このバンドは強烈な身体性を伴ったバンドなんだとも思ったし、テレキャスのギターボーカルが最高や......という気持ちになった。ツアーの告知で東京・大阪に加えて岩手が発表されたときは声が出た。自分と精神的ルーツの作家を同じくしたバンドが、その生誕地たる自分の郷土でライブをしてくれることの嬉しさよ。

 

Aooo / Aooo

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10月16日リリース。ボカロ周辺のフィールドで活躍している3人と元・赤い公園石野理子で結成されたバンドの1stアルバム。

勢いと遊び心で駆動されたようなバンドでも、流石にメンバーがメンバーなだけあって完成度がめちゃくちゃ高い。結果的にゼロ年代以降の国内のロック×J-POPを引き受けたリッチなアルバムになっている。こういうマキシマムな音楽が聴きたくなるときがある。流行ってくれたら嬉しい。

ツミキとキタニタツヤにJ-POPへの残響系オルタナティブロックの混入を期待しているところがある。

 

はるまきごはん / おとぎの銀河団

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10月29日リリース。ファンタジックな世界観を演出しているのかと思いきや、キレッキレだなという感想が先に立つ。特に前作よりもエレクトロサウンドの応用が進んで、元来のオルタナ的なサウンドと融合して隙がない。ギターが映える「ディナーベル」が好きだけど、エレクトロスウィング的な「ゼロトーキング」やラテン的な「エンパープル」もめちゃくちゃかっこいい。

アルバムタイトル通りのメルヘンさはあるんだけど、たまにヒヤッとするような歌詞が挟まれて、何か怖いものを見据えているような印象を受ける。

全然意味がわからないんだけど、このアルバム、なんか風呂の中で再生する機会が多かった。

Homecomings / see you, frail angel. see adore you.

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11月27日リリース。これが今年ベストです。

ダンスミュージックからの影響、眠れない寝室のイメージ、社会的なケアというテーマを包含した前作「New Neighbors」とは打って変わって、真っ向からのシューゲイズで海のイメージとセルフケアを歌っている。前作もベスト級に良かったけど、それ以上に自分に響く作品だった。初見の轟音で殴られたような感触はかなり忘れられない体験。

リード曲の「angel near you」がやっぱり良いな。轟音の取り入れ方が美しい。それが自分の中に見出す繊細な天使のイメージと合致する。MVの付いたはじめの3曲が終わってからは遊び心が炸裂する感じがある。グリッチノイズの混ざる電子音が面白い。エレクトロに振り切って疾走する「blue poetry」から音割れせんばかりのドラムが入った「recall(I'm with you)」までのシューゲイズパートが楽しい。ボーカルには整形されきらない宅録感もあって、意図的に残された歪さがこのアルバム全体の印象に大きく寄与していると思う。

インスト曲「(all the bright places)」からの後半パートも良い。京都アニメーションにゆかりのある2曲から、ハウスミュージック的な「Air」、そして「kaigansen」でノイズとともに終わっていく。アルバムの構成としても美しすぎる。

リリース直前にちょっと落ち込む出来事があって、このアルバムのおかげで沈み切らずに済んだ部分が真面目にある。例年よりも遅れてやってきた紅葉の時期と符合して、精神的に救われたと思う。大学のキャンパスの銀杏並木と陽光。

年末のワンマンに行くか決めかねていたんだけど、これで行くべきだと確信して、28日に行ってきた。良かったなあ。

 

マイベストソング

上に挙げたアルバムには収録されていないものから。気が向いたら加筆する。

米津玄師 / さよーならまたいつか!

4月8日公開

月村手毬 / Luna say maybe

5月2日公開

タニタツヤ / ずうっといっしょ!

5月14日配信リリース

Beachside talks / Big Sky

6月26日配信リリース

MyGO!!!!! / 端程山

7月24日リリース

Enfants / Kid Blue

7月31日リリース

ストレイテナー / COME and GO

8月16日配信リリース

しろねこ堂 / 反省文〜善きもの美しきもの真実なるもの〜

8月28日リリース

BUCK-TICK / 雷神 風神 - レゾナンス

11月20日リリース

エイプリルブルー / 誰も気づかなくても

12月11日配信リリース