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ヒグチユウコ展 CIRCUS FINAL END [Higuchi Yuko CIRCUS]

金曜に友達に誘われて行ってきた。画家・絵本作家ヒグチユウコの個展。存じ上げなかったけど、画風を見てすぐに好きだとわかった。猫をモチーフとした作品が多く、全体的にダークファンタジー的な世界観で構成されている。高密度な線の一本一本が圧倒的なディテールを生み出していて、月並みだけどめちゃくちゃ上手い。異形の生物などのモチーフや暗めの色遣いに不気味さや陰鬱さを感じつつも、キャラクターの表情や動作は限りなくピュアで、可愛いという感想が真っ先に出る。もっとグロテスクな絵が多いのかと思ってた。絵本作家であるということもありそう。擬人化というモチーフに市川春子的なところを感じたり、タッチが米津玄師のイラストに近いと思ったりと、他の好きなアーティストとの共通項を見出す中で自分の嗜好を再確認できたのも良かった。展示数は1500に及んでいたらしく、じっくり観ながら周りきったときには4時間近く経っていてびっくり。それなのに途中で疲れて集中力が切れることはなかったのはすごい。気に入った作品がいくつもあったし、なんなら会期中にもう一回行きたいくらい。

 

日曜は朝からレンタカーで運転練習として鎌倉・江ノ島へ。と言っても自分は免許を取ってから3年半全く運転していない状態だったので、正直事故を起こす気しかしなかったし、運転するということがもはや非現実的な状態だった。どうしてそんな人間を誘った?戦々恐々としながら江ノ島から鎌倉までの30分程度の道のりを走ったが、助手席のサポートもあって意外に正常な運転ができた。余裕が少し出ると楽しいなとすら思ったけど、こういう奴が事故を起こすんだろうな。ただ、最後の駐車だけは本当に手こずった。精算機にぶつかる寸前のところを車載の安全装置でなんとか助けてもらった感じ。これだけは安全な場所でちゃんと練習しないと駄目だ。
江ノ島・鎌倉自体は3年ぶりくらい?古い寺社仏閣と、海に面した自然と、そこに集まった人が作った新しい雰囲気が共存しているのが良い。帰りに温泉に入ったけど、親に連れられて温泉に行き、車内で疲れた体を癒した子供時代の感じが蘇った。

 

スキップとローファー(1) (アフタヌーンコミックス)

colormalの田井中さんが推していて、さらに今春にアニメ化するということで頭の隅に引っかかっていた「スキップとローファー」を最新巻まで読んだ。コミックDAYSで無料公開されていたのを読んでハマり、衝動的に全巻揃えてしまった。
田舎から都内の進学校へ入学した高校生、岩倉美津未の周りで揺れ動く人間関係の話。一見すると少女漫画的な印象を受けるかもしれないが、連載誌は青年誌のアフタヌーンだし、より広くヒューマンドラマを扱っていると言える。登場人物の心根が綺麗すぎるわけでも擦れすぎているわけでもなく、高校生ってこうだよな〜という等身大の姿が描かれていて、どの登場人物にも愛着が湧く。簡単に陽キャ陰キャと分類されがちな人たちも各々が色々な背景を抱えていて、それが教室という狭い空間に集められたときに、すれ違ったり意気投合したりする。友達になるかどうかは単にその環境やタイミングによる偶然でしかなくて、だからこそ、そうでなければ生じえなかった人間関係を尊いと思える。そういうリアルな人間関係の描写に惹かれて楽しく読み通したのだけど、同時にすごくメンタルに来てしまった。それはおそらく作中で描かれているようなコミュニケーションを高校時代の自分がしてこなかった(することができなかった)と感じることに起因している。高校時代にできた人間関係を不満に思っているわけでは全くないのだけど、自意識を拗らせて波風の立たない交流ばかりしてきたことに後悔の念が募ってしまう。そしてそういう人間性は今も変わらない。このようなことに悩んでも本当にどうしようもないのだけど、それゆえに読破してからずっと陰鬱な気持ちが拭えない。卒業シーズンだしね。普段はあまり気にしないんだけど、この作品を読んでそれが喚起されてしまった。さらに再読したくなっているんだからタチが悪い。助けて欲しい、本当に

 

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FUJIにようやくMVがついた。これで人に勧められるぞ