学期中の課題が一通り終わったので一応春休み開始だけど、試験が一つしかなかったのであまり始まった感がない。 2月上旬にまだいくつか集中講義やら発表会やらがあることにもよるけど。
あとは状況が状況なのもあってあんまり出かける予定を立てられていない… 全然行きたいのでこれから考える。
杉山昌広『気候を操作する 温暖化対策の危険な「最終手段」』
前から読もうと思っており、大学のレポート課題でちょうどこのテーマが出てきたので図書館で借りて読んだ。人為的に気候を改変する技術(ジオエンジニアリング・気候工学)の現状について概説した本。
そういう技術の存在だけ聞くとSFのように感じてしまうけど、何年も前から大真面目に議論されてきたことらしい。具体的な内容は主に「CO2除去」と「放射改変」にまとめられるけども、そのいずれもまだ技術としては未熟で、しかもガバナンス上の問題が山積みであることがわかった。個人的には、いずれはこういう技術に頼らざるを得なくなるんだろうと思うけど、この技術自体も間に合わないんじゃないかという気になってしまった。いずれにせよ研究は続けていかなければならない領域だけど、とにかく政治的・倫理的な問題が多すぎる。基本的に人類を信用していないので、こういう話を読むたびに地球の将来については悲観的になってしまう。創作の範疇ならかなり好き。
大森望・日下三蔵 編『極光星群』
《年間日本SF傑作選》シリーズのSF短編集で、これは2012年のもの(10年前ってまじか…)
乾緑郎『機功のイヴ』
江戸時代の日本で起きた機功人形を取り巻く事件の話。SF×時代小説もので、世界設定が好きだった。
円城塔『内在天文学』
人類が未知の知的生命体に「認知的ニッチ」を奪われる話。青春小説的で読みやすくもあり、哲学的で少し難解な部分もあり、ただSFであることは間違いなく、不思議な感じで面白かった。
瀬尾つかさ『ウェイプスウィード』
温暖化により水位が上昇した地球の海は、ミドリムシの変異体であるエルグレナに支配されており、コロニーから研究のためにやってきた主人公ケンガセンが、地球の排他的なコミュニティの中で外部との接触を取り持つ少女ヨルとその謎を解き明かしていく。この人の描く「未知の生命体」像がかなり自分の趣味に合う。
宮西建礼『銀河風帆走』
遠未来の人類の星間旅行の話。スタンダードなハードSFと言って差し支えないと思う。かなり宇宙空間物理学していてよかった。
巻末でこの年の日本SFの概況が解説されていたけど、カゲロウデイズが言及されていてびっくりした。
最近SFばっかり読んでて若干食傷気味になってきたので、次は他のジャンルの本を読みたい。
ヒトリエ / ステレオジュブナイル
疾走感のある底抜けに明るいメロディで、「こんなん聴いてんのお前だけ」って叫んでくれるのが嬉しい。心なしかシノダさんの歌声もいい意味で今までで一番力が抜けて投げやりになっているように聞こえる。歌詞に出てくる「33回転」はレコードの回転数の話で、「最終回にしたくない」から、収録時間が短くなってしまう45回転は嫌だってことなんだろう、多分。ジャケットのイラストも良い。2月のライブで聴けると思うけど、頼むから中止にならないでくれ〜
シノダさん本人が歌詞について書いたエッセイが公開されていた。ロック音楽の歌詞に通底する、めちゃくちゃ良いことを言っている。
なんとなくだけど、この曲でヒトリエは新たなフェーズに入った気がする。もっとこの3人の個性が見えるような曲がいろいろ聞きたい。
NOMELON NOLEMON / POP
ボカロPのツミキがシンガーソングライターのみきまりあと新しく始めたユニットの1st フルアルバム。従来のツミキの高密度なロックは踏襲しつつ、緩急を織り交ぜた新機軸な曲が揃っている印象。9曲30分で一気に駆け抜けるアルバムで、いかにもこれは1枚通して聞くべき。ツミキさん自身がポップ・ミュージックに相当のこだわりがあるようで、作品名にもある通り、彼のポップ観が凝縮されたアルバムと言える。友達に言われて気づいたけど、音や歌詞含め、少し初期の東京事変に似ているところがある気がする。ツミキという名の由来が椎名林檎の「積木遊び」であるという本人の談からも感じられる通り、J-POPメイカーとして彼女から影響を受けた部分があるのかもしれない。
テキトーなことごちゃごちゃ書いてしまったけど、とにかくノれる楽しいアルバムであることは間違いない。初発表曲のINAZMAや従来のツミキ的なロックであるゴーストキッスも好きだけど、個人的にはアルバムラストのnight drawがお気に入り。結局、エモい歌詞で曲途中から爆発する曲は好きになっちゃうんだよな…
そこに鳴る / 感電・Lemon(Cover)
すごかった。面白い。